ウズベキスタンは古代シルクロードの中心地で、豊かな文化と歴史が魅力的な国です。最近日本でもたくさん情報を目にするようになり、これからますます渡航される方も増えてくるかと思いますが、特に真夏には気温が非常に高くなるため、しっかりと準備をしておくことが大切だと感じました。ウズベキスタン旅行の注意点と、真夏の旅に持っていくべき持ち物をまとめておきます。
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ウズベキスタン旅行の注意点
お金
通貨は「ウズベキスタン・スム」です。事前に調べた情報では、ウズベキスタンでは日本円の両替レートが悪く、ドルからの両替が基本とのことでした*1。しかし我々は手持ちのドルがなかったので、タシケントの空港で日本円からスムに両替、残りはATMで下ろすことにしました。結果的にはこれで全く問題ありませんでした。なお、円でもドルでも公定レートが適用されるため、原則どこで替えても同じです。
こちらが入国審査を出てすぐのところにある両替所。レートを見てもあまり実感がなく、とりあえず3万円ほど両替した記憶があります。
ウズベキスタンでは、ATMは主要都市に多数あります。特にタシケントやサマルカンド、ブハラなどの観光地では、ほとんどの場所にATMがありました。 私が今回見た限りでは、最大引き出し額は40万スムでした。日本円に換算すると約4500円(2024年時点)です。
通信
現地のSIMカードは空港で購入しました。いくつか窓口がありましたが、私が買ったところでは50GBのデータが8ドルでした。電話番号も付帯していました。他の窓口をじっくり見たわけではありませんが、恐らくどこも同じような感じだと思います。購入にはクレジットカードも利用できます。
通信は街中では全く問題ないスピードでしたが、電車に乗って田舎を走っている時は、しばらく電波がないことがありました。
地図
GoogleマップとYandex mapの両方を使い分けると便利です。Yandex はロシアの会社で、特にロシア語圏や旧ソ連圏においてはローカルな情報が充実しています。
ウズベキスタンではGoogleMapよりもYandex mapの方が精度が高く、公共交通機関のルートを検索する際にも便利でした。日本で事前にダウンロードし、訪問エリアの情報を確認しておくと良いと思います。
タクシー
タクシーを利用する際には、事前にYandex Goというタクシーアプリをダウンロードしておくと便利です。電話番号の設定が必要ですが、日本の番号でも登録できるので、先に日本で登録しておくことをお勧めします。
他国のタクシーアプリと同様、料金交渉なども不要で、ルートもわかった上でタクシーに乗れるので安心感があります。私はクレジットカードの登録ができず、支払いは現金で行いました。お釣りがないと言われることがあったので、現金はなるべく細かい額で持っておくと安心です。
配車の際にはエコノミー、コンフォート、ビジネスなど、車のクラスを選ぶことができます。一番安いクラスだとエアコンがついていないことが多く、日中は暑かったので、途中からコンフォートクラス以上の車を呼ぶようになりました。ウズベキスタンの人たちは、基本的に冷房があまり好きではないそうです。
現地でタクシーを拾うことも可能ですが、料金交渉が必要だったり、言葉の問題があったりするので、タクシーを利用する際にはYandex一択でした。
鉄道
ウズベキスタンの都市間の移動には、主要都市を結ぶ高速鉄道(アフラシャブ号)が便利です。チケットは公式サイトや公式アプリら事前購入が可能。クレジットカードで決済可能です。
チケットは45日前から予約開始ですが、特に観光シーズンにはあっという間に満席になるため、早めに予約をする必要があります。これは現地の旅行会社が席をまとめて予約するのが理由だそう。突然まとまった数のキャンセルが出ることがあるので、満席の場合も諦めずに何度もHPをチェックすると良さそうです。
乗車時にはチケットの提示を求められるので、紙で印刷しておくと安心です。メールの文面を見せている人もいましたが、紙の方が視認性が高く、明らかにスピーディです。また、チケットとともにパスポートの提示を求められることもあったので、こちらも乗車前に準備しておくと良いと思います。
駅に入る際には荷物検査もある上、場合によっては定刻より早めに出発することもあるらしい(!)ので、遅くとも30分前には駅に到着しておきましょう。
お手洗い
観光地のトイレの多くは無料でしたが、一部有料で、2,000〜3,000スム(約24〜36円)程度の費用がかかることもあります。また、トイレットペーパーを流せないところも結構ありました。特に公共の場所でのトイレットペーパーはどれも硬めなので、気になる方は日本からティッシュなどを持っていくと良いかもしれません。
食事
食事はウズベキスタン料理が中心で、観光地だとイタリアンや韓国料理店なども見かけることがありました。量も多めで、油も多いので、現地の人と同じように熱いお茶と一緒に食事をするのが良いでしょう。
現地ではこの熱いお茶のことをチャイと言い、日本の緑茶に近いグリーンティー、紅茶にあたるブラックティーのいずれかを選べることが多いと思います。野菜や果物が新鮮で美味しいので、ビタミン不足になる心配は全くなさそうです。
電車でもチャイのサービスがありました。
また、ウズベキスタンでは、ファストフードチェーンをほとんど見かけませんでした。その代わり、地元のレストランや屋台で、プロフ(ウズベキスタン式ピラフ)やシャシリク(串焼き肉)、サムサなどの伝統的な料理を楽しむことができます。
ウズベキスタンはお茶文化なので、コーヒーがお好きな人はドリップパックなどを持っていくと良いかもしれません。イスラム教の国ですが、お酒も豊富で値段も高くありません。
言語
公用語はウズベク語ですが、ロシア語も広く使われています。特にタシケントではロシア語が優勢のような印象を受けました。主要な観光地では英語で対応してもらえますが、街中の案内はウズベク語とロシア語併記のパターンが多かったです。
皆さん親切なので、ウズベク語とロシア語がわからなくても何とかなりますが、こんにちは、ありがとうなど基本の挨拶だけでも覚えておくと、コミュニケーションがぐっとスムーズになると思います。
気候
7〜8月のウズベキスタンでは、最高気温が40℃を越える日も多く、日中は非常に暑くなります。特にブハラやサマルカンドなどの、西に行くほど暑くなるそうです。日も長く、日差しも強烈ですが、夜は30℃ぐらいまで気温が下がります。日本だと30℃の夜は蒸し暑くてたまりませんが、ウズベキスタンでは湿度がないせいで、30℃でも驚くほど涼しく感じられ、非常に快適になります。
タクシーの項目で書いた通り、ウズベキスタンの人は冷房があまり好きでないようで、室内に入ってクーラーが効きすぎて寒い…ということも一度もありませんでした。少なくとも夏に旅行する場合、山の方に行かないのであれば寒さの心配をする必要はなさそうです。
太陽の力が絶大!
日中は暑いので、現地の人もあまり出歩いておらず、夕方頃から急に街が賑わい始めます。観光地も、主要なところは夏場は19〜20時頃までオープンしているので、暑い時間帯は無理に出歩かず、夕方から出かけるのがお勧めです。レストランなども結構遅くまで開いているところが多かった印象ですが、これももしかすると夏だったからなのかもしれません。冬はまた違うかもしれませんので、ご注意くださいね。
夏の間は雨の心配もありません。先日ウズベキスタン在住の方のブログを見ていたら、「数ヶ月ぶりに雨が降りました」との記載があり、夏は本当に全然雨が降らないのだなあと驚いたところです。
服装
ウズベキスタンはイスラム教の国ですが、かなり寛容な雰囲気なので、よほど露出度の高い服装でなければ、特に大きな問題になることはなさそうです。ですが、モスクなど宗教施設を訪れる場合には、それなりに体を覆う服装で行く方が敬意があって良いと思いました。男性も、ハーフパンツの方は腰に布を巻きなさいと指示を受けている姿を見かけました。
特に地方都市では、現地の女性はマキシ丈の鮮やかな柄のワンピースに、ゆったりとしたパンツを合わせていることが多く、素敵でした。現代的な服装の方もたくさんいますが、乾燥していて日差しが強いので、体を露出するより風通しの良い服で体を覆う方が涼しく感じます。黒っぽい布はあっという間に熱くなるので、白いお洋服をたくさん持っていくことをお勧めします。白いTシャツやコットンボイルのマキシワンピースが大活躍しました。
真夏のウズベキスタン旅行の持ち物
続いて、今回持って行って良かったものもご紹介しておきます。持ち物は暑さと日差し対策グッズを中心に考えました。
あって良かったもの
アミノバイタル
今回、一番あって良かったのはこれかもしれません。スティック状のものをジップロックに入れてたくさん持っていき、ペットボトルのお水に溶かして飲むようにしていました。今回持って行ったレモン味のものは結構酸っぱめでしたが、この酸味がいかにも疲労感に効く感じがして、とても良かったです。塩分チャージのタブレットなどもあると安心です。
日焼け止め & リップクリーム
夏のウズベキスタンは日差しが非常に強いため、日焼け対策は必須です。日焼け止めは1本使い切るぐらいの気持ちで持っていくほうが良いと思います。乾燥しているので、リップクリームも重宝します。お肌の乾燥対策に、シートパックやしっかり潤うクリーム類もあると安心です。
日傘
日傘をさしているのは日本人観光客だけかと思いきや、特に西に行くほど、意外にも現地の女性も日傘を利用していました。日差しは強いものの乾燥しているので、日傘があるだけで体感気温が全然違います。
帽子
帽子も大活躍でした。とにかく日差しが強いので、眩しがりの私は日向では目も開けていられないほどでした。ひさしのある帽子を持って行って本当に良かったです。今回はノースフェイスのハイクハットを持っていきました。柔らかくて、丸めてバッグに入れられるので重宝しました。
サングラス
帽子同様、サングラスも必携です。目から入る紫外線も日焼けにつながると言いますしね。
冷タオル
気温が本当に高い時には、これを首に巻いておくだけで体感気温が全然違います。ただし空気が乾燥しているので乾きやすく、もって1時間ぐらい。しかし熱中症になったら嫌なので、暑いと思ったらどんどん使うようにしていました。
スカーフorストール
モスクでは女性は頭を隠す必要がある場合も*2。現地でも貸してくれますが、自分のものを1枚持っていくと良いでしょう。
のど飴&ぬれマスク
乾燥している上、空気も埃っぽいので、喉が弱い人は必ずのど飴や龍角散のタブレット、スティックなどを持っていく方が良いでしょう。ぬれマスクは機内でも活躍するので、6時間を越えるフライトの時には必ず持っていくようにしています。
バッグハンガー
これは別に暑さ対策というわけではありませんが、今回はClipaのバッグハンガーを新たに買い足して持っていきました。ちょっとお高めですが、耐荷重10kgで、とにかくしっかりしていて安心感があり、重たいバックパックをかけてもびくともしなくて大変良かったです。
こんな感じで、ドアの上にかけられない場合でも穴があれば通すことができます。バネがしっかりしており、バッグを外すと勝手に輪の状態に戻ってくれるのもストレスがなくて良かったです。
ウェットティッシュ
こちらも暑さ対策とは関係ありませんが、ウェットティッシュも多めに持っていくと安心です。特にローカル店では、ウェットティッシュは基本的に出てきません。
なくても良かったもの
首かけファン
40℃と聞いてさぞ暑いだろうと思い、台湾旅行のために買った首かけファンも持っていきました。しかし、ウズベキスタンの場合は湿度がないせいか、同じ温度でも汗のかき方が全然違うんです。日陰に入ると自然に汗が引くので、ファンがなくても問題ありませんでした。
つま先の隠れる靴
宗教施設を訪れるのにラフすぎるサンダルは良くないかと思い、つま先が隠れる靴も1足持って行きましたが、結果的にはどこのモスクでもサンダルで問題なく入場できました。とは言えこれは場所にもよりそうなので、一応持っていく方が安心だと思います。
こんな感じで、同じ暑さ対策でも台湾の時とはまた違うラインナップになりました。湿度のあるなし、日差しの度合いで必要なものも変わってきますね。持って行った荷物やパッキングの様子については、バックパックの記事でも一部紹介しています*3。
▼夏の台湾旅行の持ち物はこちら
真夏のウズベキスタン旅行は気温が非常に高いですが、しっかりと準備をすれば快適に過ごすことができます。現地の文化や慣習に合わせた装備や持ち物を持参し、素晴らしい旅行を楽しんでください!