最終日のフライトは22時頃だった上、ホテルのチェックアウト時間も17時にできたので、丸一日たっぷり時間がありました。当初、最終日にはプロフセンターに行こうと思っていたのですが、珍しく夫の体調がイマイチだったため、午前中はホテルでゆっくり過ごし、お昼頃から活動を開始。
▼ホテルのスタッフの方がとても親切でした!
ナヴォイ劇場
まず向かったのは、ナヴォイ劇場です。
タシケントの観光といえば、真っ先に名前が挙がるのがここではないでしょうか。というのも、このナヴォイ劇場は第二次世界大戦後、シベリア抑留捕虜であった日本兵が建設に従事したことで知られているのです。
1996年に設置されたこちらのプレートには、日本兵が工事に関わった旨が書かれていました。このプレートの設置にあたり、故カリモフ大統領は「我が国は日本とは戦争をしていない。捕虜という単語は用いないように」と言ったとのこと。それゆえの「日本国民」表記なのですね。
この辺りの経緯を調べてみたところ、舞鶴市のホームページに詳しい説明が載っていました。なぜ舞鶴市?と思ったら、ナヴォイ劇場の建設に関わった455人の日本兵の殆どが、舞鶴港に引き揚げたからということのようです。
しばし当時の様子に思いを馳せました。
たいへん立派な、ビザンチン風建築です。
1966年の大地震で街が壊滅状態になった時もこの劇場は健在で、多くの人の避難所になったそうです。
隅々まで装飾が美しいのは、ウズベキスタンの他の建物と同じですね。
内部の見学は公演時にしかできません。何か公演があれば見てみたいと思っていたのですが、残念ながら我々の滞在期間中にはチャンスがありませんでした。
しかし、外から眺めるだけでも十分に美しく、素敵な劇場でした。当時の日本兵の勤勉さのおかげで、ウズベキスタンの高齢者は今でも日本に対して好感情を持っておられるとか。
先人の立派な行いに、頭の下がる思いでした。見に行けて良かったです。
お腹が空いてきたので、ナヴォイ劇場を出て、歩いてカフェに向かいます。
また美しい車に遭遇しました。昔の車、デザインがどれも素敵です。
Bon!
やってきたのはタシケント市内にいくつも店舗のある、Bon!というカフェ。カラッとして日陰は十分涼しい日だったので、テラス席にしました。
パンやケーキが有名なようです。
アイスクリームもありました。
私はまたタシケント・アイスティーを注文。こちらのお店もメニューは全てロシア語でした。
お食事はオムレツにしました。ハムやチーズ、トマトがたっぷり入っていて、結構ボリュームがあります。テラスだと虫がたくさん寄ってきたので、食事をするときは室内の方が良いなと思いました。
後から気づいたのですが、こちらのカフェは前日に行ったレストランと同じ会社が運営しているようです。言われてみれば、レストランの隣にも店舗がありました!
ウズベキスタン国立応用美術館(工芸博物館)
最後に向かったのは、国立応用美術館です。
ここは展示品はもちろんのこと、建物自体も素晴らしいと聞いていたので、楽しみにしていました。
早速足を踏み入れて、またもやその美しさにうっとり。
壁という壁を埋め尽くすの精緻な装飾に、思わず「わあ…」と声が出ました。
1部屋目から、圧倒されてしまいました。
この、天井の美しさ。
こちらの建物は、1907年にロシア公使の指定として建てられたそうです。
こんなに色が溢れているのに、不思議に統一感があり落ち着く空間です。
隣のお部屋もまた豪華絢爛。これが私邸だったなんて、信じられません。
続いて展示室へ。
小さなお部屋も天井が豪華だったりして、見応えがあります。
様々な工芸品が展示されています。説明はあまりありませんが、見ているだけで楽しめます。
こういうランプを見ると私はどうしても「魔法のランプだ…」と思ってしまいますが、ここでは当たり前に生活の中の道具だったのですよね。
ここにはどんなものを入れていたんでしょう。
スザニの展示もたくさんありました。
近づいて見ると、刺繍1本1本の糸がよく見えます。とんでもなく根気の必要な作業ですね…
こじんまりとした小さな美術館ですが、手仕事や建築が好きな人はきっと楽しめると思います。少し遅めの時間に行ったからか、人も少なく、ゆっくり見学できました。
最後に少しだけスーパーマーケットに寄って、ウズベキスタンでの全日程が終了。まだ気温は高いもののの、最終日の空はもうまるで秋のようでした。良いところだったなあ、ウズベキスタン。また必ず行きます。
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