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【大阪】太陽の塔内部公開と万博記念公園の日本庭園

6月の終わりに、太陽の塔の内部公開に行ってきました!この前週に万博記念公園に行った際、塔の中に入れることを初めて知ったのです。かなり充実のアート体験になったので、今日はその模様を。

 

▼みんぱく体験はこちら

 

内部への入場は予約制です。下記ホームページから予約ができますが、当日でも空きがあれば入れるそうです。

 

HPはこちら☞https://taiyounotou-expo70.jp/

 

一度に入場できるのは16名で、高さ30メートル(6フロア)の地点まで階段を昇りながら鑑賞する仕組みです。何らかの理由でエレベーターを利用したい場合、事前に予約をすれば利用が可能、ただしその場合はエレベーターの停止階である1階、中層階、最上階の3フロアの鑑賞となるそうです。観覧時間は1回30分の一本勝負よ!

 


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あいにくの曇り空でしたが、この季節はカンカン照りより曇り空の方がうんと良いですね。まずは正門から入り、太陽の塔に正面からご挨拶。

 


内部公開の入口は塔の背中側にあります。裏の顔はなかなかコワモテ。

 

受付で予約時に発行されたQRコードを見せると、入館証を渡してもらえます。撮影可能なのは原則1階のみですが、500円の追加料金を払って専用のスマホケースを借りれば、上のフロアも撮影可能になります。

 

最初はどういうことなのだろうと思っていましたが、後で公式ホームページを確認したところ、撮影機器の落下防止措置のようです。塔の内部は吹き抜け状なので、確かに上層階からスマホが落ちてきたらかなり危ない上に、せっかく復元した内部が破損する可能性もありそうですもんね。専用のスマホケースは首からぶら下げるタイプのものだったので、これで落下を防ぐということのようです。

 

 

入口から廊下を進むと、岡本太郎の描いたスケッチが年代を追って飾られています。最初は曖昧だったイメージが、どんどん今の太陽の塔の形に近づいていきます。このスケッチは彼の手近にあった紙に描かれているようで、中には帝国ホテルのロゴの入った紙もありました。

 

いただいたパンフレットで知ったのですが、お腹についている太陽の顔は「現在」、背中側の黒い太陽は「過去」、そして塔のてっぺんについている金色の顔は「未来」を表しているのだそうです。太陽の塔については作家本人が何も語っていないので、わかっているのはこれだけ。あとの解釈は自由なのだそうです。

 

 

スケッチの飾られた回廊を抜けると、まず現れるのはこちら。太陽の塔における「第4の顔」、地底の太陽です!この地底の太陽は岡本太郎が制作した巨大な仮面で、万博閉幕後に行方不明になってしまっていたものを、当時の設計図を元にこの展示のために復元したそうです。行方不明って、そんなことあるんですね…しっかりしてよ…

 


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復元された地底の太陽の周囲には世界各地の仮面や神像が飾られており、プロジェクションマッピングでサイケデリックな映像が投影されます。この映像は後から作ったものなのでしょうが、いかにも岡本太郎の世界!という感じで非常に強烈で、後ろに流れる太鼓系(?)BGMとも相まって不思議と原始的な感覚が呼び起こされるような仕上がり。非常に呪術的な空間です。

 

私はこういうサイケデリックなものを見ると無性に踊りたくなるのですが、たぶん太古の昔から人々はそうやって踊っていたのではないでしょうか(知らんけど)

 

そしていよいよ塔の中心へ…!

 

 

思わず歓声が上がるような、生命力に満ち溢れた空間です!塔の「胎内」には、高さ14メートルの「生命の樹」がそびえており、地下から上へ上へと、生物の進化の過程が表現されています。下から上に向かって、生物が原生類から哺乳類へと進化していく様子が表されていて、一番上まで行くと人類に巡り会える、独創的なインスタレーションです。

 


木の周囲には、全部で33種類の生き物のオブジェが飾られています。このオブジェは、ゴリラ1体を除いていずれも内部公開のために復元されたものだそうです。

 

 

一番下のフロアにはアメーバやウミユリ、クラゲなどの姿が見られます。ぐにゃりと横たわっているようなアメーバの姿に親近感。

 

塔内部の壁はひだのようになっていて、これもなんだか生き物を思わせます。この壁には音を反響させる効果があるそうです。今では音楽用のホールなどでもこのような構造が見られますが、一説には太陽の塔がこの構造の先駆けと言われているようです。

 

 

生命の樹をぐるりと取り巻くように設計された階段を登っていくと、あっという間に太陽の塔の「腕」のあるフロアに到達します。腕の内部には当時は実はエスカレーターが入っており、ここを通って外に出られるようになっていたそうです。現在は軽量化のため、エスカレーターは階段に置き換えられています。

 

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緻密に組まれた鉄骨構造が大変美しく、何か大きな未来の生き物の体の中に入ったかのような感覚を覚えました。この日見た中で、一番感動したのはこの腕の内部かもしれません。腕のフロアには係の方がいらして、「これは右腕ですか?左腕ですか?」と聞く人々に次々対応してくれていました。みんな気になることは同じ…

 

腕の内部まで見学したら、あとは裏口のような階段から降りるのみ。とはいえ、ここにもたくさんの資料が展示されており、見応えがあります。高度経済成長の中、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げて開催された万博において、あえてこれだけ「原始」や「呪術」を感じさせる展示を企画したところに、岡本太郎の強烈な意思を感じました。

 

 

「芸術は呪術である」。ある人たちにとっては、これはまさしくそうでしょう。私にとっても、芸術は呪術のようなものだと感じられます。

 

 

外に出たら、少しだけ涼しくなっていました。せっかくなので、日本庭園も見学することに。日本庭園は公園内の北側にあり、これもまた万博当時に日本政府の出展として造園されたものだそう。とにかく広大で、様々な時代の様式の日本庭園で構成されています。

 

 

静かで手入れの行き届いた空間です。なんとその広さは26ヘクタール。

 

 

広々とした蓮池ではちょうど蓮が見頃の時期でした。午後に行ったので残念ながら花は蕾に戻ってしまっていました。知っていたら午前中に行ったのに〜!やはり何でも下調べが大切ですね。蓮池には見たことのないような巨大なオタマジャクシが泳いでいたのですが、一体この子たちはどんな巨大なカエルになるの…?ここなら伸び伸び成長できそうだね!

 

 

万博記念公園には何度か行ったことがありましたが、日本庭園がこんなに立派だとは知りませんでした。これからの時期はちょっと辛いかと思いますが、また秋に紅葉を見に行ってみたいところです。