台北で歴史を感じながら街歩きを楽しむなら、外せないのが迪化街(てきかがい/ディーホアジエ)。台湾最古の問屋街として栄えたこのエリアには、バロック様式のレトロな建物や乾物・漢方のお店がずらりと並び、独特の活気が漂います。
近年はおしゃれなカフェや雑貨屋も増え、昔ながらの風情と新しいカルチャーが混ざり合う、台北らしさ満点のスポットに生まれ変わりました。
本記事では、迪化街の成り立ちやアクセス方法からおすすめの観光ルート、さらに私が迪化街に行くたびに必ずと言って良いほど立ち寄るお店を5軒と、次回行きたいと思っているお店を厳選してご紹介します。初めて訪れる方はもちろん、2度目、3度目の方にも参考になれば幸いです。
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迪化街とは
迪化街は台湾最古の問屋街のひとつで、その起源は19世紀中頃、清朝の時代にまでさかのぼります。淡水河に近い立地から、樟脳や茶、漢方薬、布、乾物などを扱う商人たちが集まり、国際的な商業地へと成長していきました。
日本統治時代には都市計画の整備とともに、茶葉や布の問屋街としてさらに栄え、今も残るバロック様式の歴史的建物が建てられたのもこの頃です。戦後には中華民国政府によって「迪化街」と名付けられ、それまで「大稲埕」や「永楽町」と呼ばれていた地区名が統一されました。
1970年代には一時衰退した迪化街ですが、地域の人々による保存活動によって街並みは守られ、今では景観保護区域として再生を遂げました。
10年ほど前までは乾物や漢方の問屋街という雰囲気でしたが、最近ではカフェや雑貨屋、デザインショップが増え、観光客にとっても魅力的なエリアに。特に旧正月前に開かれる年貨大街は、買い物客と観光客でごった返す一大イベントで、台湾の暮らしを肌で感じられる場でもあります。
迪化街のアクセス・最寄駅
迪化街は台北市の中心部に位置しており、地下鉄や徒歩、バスなどさまざまな方法でアクセスできます。台北駅からも近いので、観光プランに組み込みやすいのが魅力です。
- MRT(地下鉄)からのアクセス
北門駅(松山新店線・グリーンライン)
3番出口から徒歩約8〜12分。迪化街の南側からのアクセス。
大橋頭駅(中和新蘆線・オレンジライン)
1A出口から徒歩約8〜12分。北側からのアクセス。
雙連駅(淡水信義線・レッドライン)
1番または2番出口から徒歩約20分。 - 台北駅から迪化街中心部まで
徒歩:約15〜20分
タクシー:約7分(暑い時や時間を節約したい時に最適)
ご覧いただくとわかる通り、どの駅からも中心部までは微妙に距離があります。気候の良い時期なら絶好のお散歩コースですが、暑い日や雨の日は少し大変。そんな時にはタクシーやバスを利用するのも一つです。
迪化街は南北に長いので、タクシーに乗る場合にはお目当てのお店の正確な住所を伝え、できるだけ近くで降ろしてもらうと良いですね。メインストリートも広くはないので、建物の前でタクシーを停車できないこともありますが、台湾の建物は番地順に並んでいるので、そんな時には番地を頼りに付近を探してみてくださいね。

少しずれた場所で降りたとしても、たくさんお店が並んでいるのでお散歩がてらぶらぶらしてみるのも楽しいですよ。
迪化街のおすすめ観光ルート
迪化街のメインストリートは、迪化街一段。南北1km程度の通りを、南から北へ、あるいは北から南へ歩くのがおすすめです。
- 行き:北門駅からスタート
- 帰り:迪化街を北上して大橋頭駅から帰る
北から南に下っても良いのですが、個人的にお気に入りのお店(この後ご紹介する新點子茶舖)が大橋頭駅にあり、最後にそこで重たいものを買って帰るので、北上ルートを取ることが多めです。
迪化街のおすすめ店5選
ここからは、私が特に気に入っている迪化街のお店をご紹介します。ここ数年でずいぶんお店が入れ替わってしまったのですが、先日の渡台時に確認をしたところ、どちらのお店も健在でホッ。
ご紹介するのは、お土産を購入するのに最適なお店4軒と、少し距離があるものの、わざわざ足を運ぶ甲斐のある美味しい麺料理のお店1軒です。迪化街の街歩きの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
你好我好
「台湾の良いもの」がギュッと詰まったセレクトショップ、你好我好。店主の青木由香さんは、現地在住のコーディネーターの方です。様々な媒体で取り上げられているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。数年前に移転し、現在は迪化街一段の南の端(北門駅寄り)にあります。


食品や雑貨、洋服など、台湾の良いものがたくさん並ぶお店ですが、中でも私のお気に入りは上の2つ。
左はピーナッツのお菓子で、香ばしいピーナッツの香りと優しい甘さ、サクサクの食感が病みつきに。右は水の代わりにアヒルの卵を使って練り上げた麺で、これもすごく美味しいんです。
実はこちらのお店の商品は、オンラインショップでも購入可能。私はコロナ中に台湾が恋しくなり、どうしても我慢できなくなってオンラインショップのお世話になりました。配送もとてもスピーディでしたよ。
大華行
大華行は、150年以上の歴史を持つ老舗の竹製品店。元々の専門である、蒸篭や食器などに加えて、ここ数年の漁師網バッグ人気で、品添えが一気に豊富になりました。
漁師網バッグを取り扱うお店はあちこちにありますが、迪化街の中ではここが一番デザインも豊富で、ディスプレイも見やすいと思います。
プラかごバッグも店頭にたくさん並んでいました。プラかごバッグはとても丈夫。帰国の際にスーツケースに入れて、中に割れ物などを入れておくのにも良いですよ。隙間は洋服などでしっかり埋めてくださいね!
瑞盛什貨行
大華行のすぐ近くにあるのが、こちらの乾物問屋さん。
いかにも問屋さんといった雰囲気なので、少し入り辛く感じるかもしれませんが、お店の方はとても親切で、少し日本語もお出来になるようです。
私のお目当てはこちらのお店の桜えび。有塩のものと無塩のものがあり、サイズも様々です。試食もできるので、お好みのものを探してみると良いと思います。と言っても、次々試食しているうちにだんだんわからなくなってくるので、いつも直感的に判断していますが…
プラケースに記載されている「斤」は中華圏の重さの単位で、1斤は500gのことです。最近の台湾の物価の高さの中で、実にありがたい価格設定で驚きました。どれを買っても本当に美味しく、母にも少しお裾分けしたところ、とても喜んでもらえました。かき揚げにするもよし、卵焼きやスープに入れるもよし、万能です。
桜えび屋さんのお隣にコーヒーショップができていたので、ここで少し休憩。
ラテ1杯が、500gの桜えびより高いですね…!


お味は大変美味しく、お店の方もとても感じ良くて、しばし涼みながらエネルギーを補給できました。
新點子茶舖
続いては、かつては迪化街のメインストリートにあった、過去にこのブログでもご紹介したお店です。移転の経緯やここ数年の迪化街事情についてはこちらの過去記事をどうぞ。今は大橋頭駅の出口すぐの場所にあり、迪化街巡りの最後に立ち寄るのに最適です。
店内には、マルチに使える調味料やお茶、ドライフルーツなど、お土産にも最適なものがずらり。ちなみにこのお店は店主の方が仏教徒でベジタリアンということもあり、ベジタリアン向けの調味料も豊富です。
2年ぶりに訪れたのですが、店主のおじちゃんもお元気そうで一安心。
私がここで必ず買うのは、麻辣味のピーナッツと「麻油薑泥」という生姜のソース。ピーナッツは国産の厳選されたものを使っているそうで、大粒で香りが良くて、すごく美味しいんです。生姜ソースは瓶入りなので少し重くなりますが、これを買うために台湾まで来ていると言っても過言ではないので、買わないわけにはいきません。
老麵店
最後にご紹介するのは、ここまで来たらぜひ立ち寄っていただきたい、老舗の麺屋さん。迪化街といってもこちらのお店はメインストリートからかなり北上した「迪化街二段」の住宅街の中にあり、少し距離があります。
看板メニューは乾麺。乾麺というのは汁なし麺のことです。下に胡麻ベースのタレ、上にニラの載ったシンプルなものなのですが、これが実に美味。美味しくいただくポイントは、とにかくしっかり混ぜることだそうです。
タレの色から受ける印象ほど、味は濃くありません。一口目にはあまりパンチがないと思うかもしれませんが、胡麻と揚げたエシャロットの香りが良く、最後まで飽きずにツルツルッと気持ちよく完食できます。ふとした瞬間に「ああ、あそこの麺が食べたいなあ」と思うお味です。
台湾の麺は概ね日本人からすると柔らかく、コシがなく感じられることが多いのですが(それはそれでコシのある麺とは別の良さがあると私は思っています)、ここの麺はどういうわけかしっかりコシがあって、麺そのものが美味しいのも嬉しい。
こちらのお店、初めて伺った際にはご高齢の先代店主さんが店内にいらして、私たちが日本人だとわかると日本語で食べ方をレクチャーしてくれました。ご健在ならば100歳近くになられていると思うのですが、お元気にしていらっしゃるでしょうか(コロナ後も店頭に立たれていた様子は、hanakoの記事で拝見しました)。また行かなければ。
次回行きたい迪化街のお店
林華泰茶行
お茶はいつも中山エリアの昇祥茶行で購入することが多く、気になりながらもこれまで行く機会がなかったお茶問屋さんがこちら。


問屋さんなので一見入りにくい店構えですが、実は小売りもしてくれるというこちらのお店。様々なお茶を150gから購入可能だそうです。レトロな包み紙も良い感じで、お土産にもよさそうです。
富時山中
迪化街のメインストリートにあるこちらのお店も有名ですね。1986年創業、ドライフルーツやナッツを扱っているお店です。


ドライフルーツはつい前述の新點子茶舖でまとめて購入してしまうのですが、ここのお店のものも大変美味しいのだそうで、気になっています。小さなサイズのパックもあるので、こちらもお土産に良さそう。次回はぜひトライしてみたいところです。
まとめ:迪化街は台湾らしいお土産探しに◎
食べ物ばかりですが、2025年7月の訪問で買ってきたお土産はこちら。残念ながら你好我好には立ち寄る時間がありませんでしたが、次回は必ずピーナッツ菓子を買って帰りたいところです。
レトロな街並みも美しく、通り沿いには美味しいお店やカフェもたくさんあるので、ぜひゆっくり散策してみてくださいね。
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