9月の中旬、慶州(キョンジュ)と釜山に行ってきました。慶州は「屋根のない博物館」とも言われる韓国の古都です。慶州では韓屋ホテルに泊まり、よく歩いて美しい街並みを堪能。釜山ではアパートメントタイプの宿を利用して、のんびりと過ごしました。
慶州は釜山から少し足を伸ばすのにもぴったりな場所で、交通手段も豊富。ソウルや釜山以外の地方都市にも行ってみたいという方の参考になれば幸いです。
✔︎ この記事でわかること
- 釜山から慶州へのアクセス方法(KTX・高速バス・空港バス)の違いと選び方
- 慶州の街歩きの雰囲気
- 慶州・釜山で訪れたカフェやレストラン
- 3泊4日で巡る旅のモデルプラン(実際の行程と感想)
慶州&釜山 3泊4日の旅プラン

釜山→慶州への交通手段
高速鉄道(KTX)・バス
釜山から慶州までは、高速鉄道(KTX)やバスで移動するのが一般的。
KTXは釜山駅から、高速バスは釜山の総合バスターミナルや金海国際空港から出ています。KTXの方が所要時間は短いのですが、慶州の中心部から少し離れたところに到着することに注意が必要。どこから出発するか、どこに到着したいかにによって使い分けるのが便利です。
| KTX(高速鉄道) | 高速バス | |
|---|---|---|
| 所要時間 | 約27~35分 | 約50~60分 |
| 運賃 | 約1,340円(エコノミー) | 約700~1,000円 |
| 運行時間 | 5:20~22:37 (約21本/日) |
6:20~22:00前後 (1時間に2~3本) |
| 到着地 | 新慶州駅(中心部まで車で約15分) | 慶州高速バスターミナル(中心部に近い) |
私は今回、釜山に到着後すぐに慶州に向かうことにして、金海国際空港発のバスに乗りました。空港発のバスは、1時間に1本(時間帯によっては複数本)のペースで運行されています。
ガイドツアー
効率よく主要なスポットを巡りたいという方には、GetYourGuideやKlookなどで釜山発の1日ツアーに参加するのもおすすめ。というのも、慶州の見どころである仏国寺や石窟庵は、中心部から少し離れているからです。
私は時間と移動手段の関係で仏国寺と石窟庵の観光を諦めたのですが、次回はこういったツアーに参加して、ややアクセスの悪い名所を楽に巡るのも良いかと思っています。
1日目:大阪→釜山から慶州へ
金海国際空港からバスで慶州へ


今回、大阪から釜山までは初めてジンエアーを利用しました。ほぼ定刻通りの運行で、お昼過ぎに釜山に到着。空港から慶州までは約1時間と聞いていたので、まずは空港で軽く食事をすることにしました。
さっぱりしたものが良いと思い、到着ロビーのレストランでチョルミョンを注文。何も考えずに全部混ぜてしまったのですが、ソースがかなり辛くて、涙目になりながら食べました。これまで韓国で色々食べても辛いと思ったことは殆どないのですが、これが今までで一番辛かったです。


どうにか麺を完食し、チケット売り場でバスのチケットを購入。券売機には人が並んでいたので、有人のカウンターで購入しました。バスの出発まで30分ほど時間があったので、乗り場前のカフェでお茶を飲みつつ待機。

慶州行きのバス乗り場は5番。同じバス乗り場からは、慶州行きだけでなく行き先の違うバスも出ています。心配な方は、乗る前に運転手さんに行き先が間違っていないかしっかり確認してくださいね。

バスの車内は、なんだかレトロ感が漂っています。シートの幅はかなりゆったりしていて、1列席だったので快適。のんびりした田園風景を抜けて、あっという間に到着です。

バスターミナル前の観光案内所が景観にマッチしています。この建物だけなく、カフェやレストランも韓屋風のところが多く、街並みに統一感がありました。
Gyeongju Hanokstay Darak


まずはこの日の宿へ。ここまでの道のりがスムーズで、チェックイン時間の16時よりかなり前に到着しました。ちょうど宿のスタッフの方がいらしたので聞いてみたところ、まだ清掃が完了していないとのことで、しばらく荷物を預かってもらって散策することに。

身軽になって、とりあえず周囲をぶらぶら。よく整備された街並みです。

オリーブヤングも景観にマッチしていますね。
綺麗に整っていて雰囲気はとても良いのですが、どこも新しくリニューアルされた感があって、私の好きな「地元の人に愛される老舗」を見つけるのはなかなか難しそうです。京都の花見小路や奈良のならまちで、観光客向けではないお店を探すのが難しいのと同じですね。
가봉반과

気になったカフェで、スイカジュースをいただきました。パッと見た雰囲気で入ってしまったのですが、ここはどうやら和菓子が有名なお店だったよう。いつかまた行けたら、和菓子とお茶のセットを頼んでみたいところです。
のんびりしているうちに16時になったので、一度宿へ。

私が泊まったのはこちらの間取りです。この写真の通りの綺麗なお部屋で、隅々までピカピカ。木の匂いがして落ち着きます。

水回りの設備も整っていて、とても快適。清潔感に溢れていました。
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快適なお部屋で休憩(正確にはお昼寝)してから、夕方再び散策へ。歩いていると、急に視界が開けて古墳が現れるのが面白いです。
慶州は京都のような位置付けだと聞いていたのですが、この広々とした雰囲気は、むしろ奈良に近い気がしました。気温は22℃前後で、灼熱の大阪(9月中旬時点)とは大違い!少し湿度はあるとのの、ひんやりした空気が気持ち良く、お散歩が捗ります。
BOKGIL / 복길


晩ごはんは、アワビで有名なお店へ。お肉のメニューもありましたが、私はアワビの釜飯を頼みました。一緒に出てきた塩辛類がとても美味しくて、ご飯が進みました。
お腹がいっぱいになったので、周辺を少し散策。慶州校村マウルという、伝統家屋が保存された民俗村まで歩きました。

この像にびっくりしたのですが、これは「将軍標」といって、村落に鬼神が入ってこないための魔除けだそうです。夜道でいきなり出会うと怖いですが、よく見るとなかなかユーモラスなお顔をしていますね。

更に歩くと、月精橋が見えてきます。統一新羅時代の橋で、朝鮮時代に失われたものを2018年に再建したのだそう。ライトアップがとても綺麗です。

素敵な景色が見られて、歩いた甲斐がありました。
2日目:慶州観光後、釜山へ
2日目は、慶州を観光してから釜山に向かいます。まずはチェックアウト前に、朝食を食べて大陸苑を少し散策をすることに。
DO NOT DISTURB
観光エリアだからなのか?朝から空いているお店が宿の周りには意外と少なくて、前日に晩ごはんを食べたお店の隣のカフェに行きました。


お天気は今ひとつでしたが、古墳を眺められるのが良いですね。もちもちした卵パンも美味しくて、かなり満足度が高かったです。
慶州仁旺里古墳群・瞻星台・大陸苑

雲行きが怪しかったので、雨が降らないうちに史跡を見に行きます。

古墳群や、東洋最古の天文台である瞻星台を見学。ちょうど私が見終えた頃、バスツアーで来たと思しき大量の観光客や高校生たちが押し寄せてきました。タイミングよくゆっくり歩き回れて、ラッキーでした。


古墳群の周辺にはこんなバスも走っています。青々とした古墳の美しさ!古墳の周りには「登るな」と看板が立っていましたが、お墓に登るような不届きな輩がいるのでしょうか?いや、いるかもしれない。

天馬塚まで、大陸苑のエリアをゆっくりと散策。背景の韓屋もいいですね。
チェックアウト時間が近づいてきたので、この後一度宿まで戻って荷物をまとめ、チェックアウト。バスターミナル前のロッカーに荷物を預けて、再び散策に戻ります。
OAR Contemporary Art Museum
バスターミナルから徒歩で向かったのは、今年の4月にオープンしたばかりの現代美術館です。路西里古墳群に面した展示室が明るく、建物自体もモダンで素敵でした。

訪問時には江上越の特別展が開催されていたのですが、これがとてもパワーがあって素晴らしかったです(現在開催中の特別展の詳細は公式ホームページへ)。

1階には外の景色と村上隆の展示を眺めながら寛げるカフェも。また行きたくなる、居心地の良い美術館でした。
정록쌈밥
13時を過ぎてお腹が空いてきたので、お昼ご飯を食べに行くことにしました。前日の反省(別に失敗したわけではないのですが、もっとローカル感のあるお店に行きたかったのです)を生かし、NAVER MAPで調べていたサムバップ(包みご飯)のお店に行きました。

ここはどう考えても一人で行くお店ではなかったようで、店内は2名以上の地元の人たちで賑わっていました。プルコギがメインのおかずで、他にチゲ2種類、半身の甘鯛、各種おかずがずらりと並びます。
おかずの量は少し減らしてもらえていたようで、汁物以外ほぼ完食!お腹いっぱいになりました。何人かで来ていた人たちはトッカルビ(ハンバーグのようなもの)も頼んでいて、羨ましかったです。
国立慶州博物館

食後に、今度はバスに乗って国立慶州博物館へ。一部改修中でしたが、大充実の展示をじっくり見学しました。韓国は国立博物館が無料なのがありがたいですね。ショップも充実していて、お土産としていくつかノートやメモ帳などを買いました。

博物館内のEDIYA COFFEEでしばし休憩。博物館敷地内の外れにあるからか人も少なく、とても落ち着く空間でした。

博物館を堪能した後、バスターミナルに戻って釜山へ移動。釜山行きのバスは20分おきぐらいに発車しており、事前に予約しなくても問題なく乗車できました。
アーバンステイブティック南浦
今回、釜山で宿泊したのは南浦エリアのアパートメントタイプのホテルです。前回西面で宿泊したアーバンステイ西面と同系列のホテルなのですが、こちらの方が新しいせいか、前回よりはるかに良かったです。


コンパクトですが、一人で過ごすのには十分な空間でした。立地も良く、1点を除いてほぼ満足!今回は着替えも少なめで行ったので、洗濯機があるのも助かりました。
▼宿の詳細はこちら
釜山 一人旅に最適 アーバンステイブティック南浦 レビュー
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済州家 / 제주가
お昼にあれほど食べたのに、恐ろしいことに夜になったらちゃんと(?)お腹が空いてきました。ホテル周辺の賑やかなエリアをぶらぶらしつつ、一人で少し軽めに食べられそうな、こちらのお店へ。


アワビ粥と迷いましたが、前日夜にアワビの釜飯を食べたことを思い出し、ウニのピビンバを頼みました。たっぷりのウニと海苔、胡麻の入ったお椀に、ご飯を入れてしっかり混ぜていただきます。スープもおかずも美味しくて、全部しっかりいただきました。大満足です。
▼ お店の詳細はこちら
釜山 朝食にも一人ごはんにも!アワビ専門店 済州家 別館へ
3日目:釜山でのんびり
翌朝は、本当は早起きして市場に朝ごはんを食べに行こうと思っていました。しかし前日に2万歩ほど歩いたせいか、起きる気にならず、結局ホテルを出たのは11時過ぎ。もうお昼ご飯の時間です。
クンチプ / 큰집

どこに行こうか迷いましたが、前から気になっていたこちらのお店で、しっかり定食をいただくことに。席数もたくさんあり、お店の方も親切で良い雰囲気です。


お店の名前のついた「クンチプ定食」というメニューにしてみたのですが、またもや大量のおかずがやって来ました。お肉や甘鯛の揚げ焼き、チャプチェやチヂミなど、しっかりボリュームがあります。
どのおかずも美味しくてお箸が進んだのですが、最後はお腹がいっぱいになってチャプチェの春雨だけ食べきれませんでした。まだまだ修行が足りないようです。
釜山近現代歴史館 / 부산근현대역사관
食後に向かったのは、徒歩圏内の釜山近現代歴史館。本館と別館があり、まずはメインの展示棟である本館を見学。建物自体は、旧韓国銀行のものだそうです。

釜山の近現代史を学べる展示で、非常に興味深い内容でした。入口にあったQRコードを読み込むと、日本語の解説も見ることができます。展示がかなり充実しており、たっぷり楽しめました。
CASA BUSANO
館内の1階には、釜山のおしゃれカフェ、CASA BUSANOが入っています。

以前、広安里の店舗に行ったことがあり、とても美味しかったのでここでお茶することに。インテリアが素敵!


うっかり写真を撮る前に飲んでしまいました。やはり美味しいです。
店内、かつて金庫だった場所ではオリジナルのケーキが販売されていました。金塊パッケージがインパクト大だったので、お土産にいくつか購入。

個数とフレイバーを選んで、箱に入れてもらう仕組み。中身はしっかりしたパウンドケーキです。
釜山近代歴史館 別館 / 부산근현대역사관 별관

続いて別館へ。こちらは現在、図書館兼資料館になっていました。建物は日本統治時代のものだそうです。内部は美しくリノベーションされており、とても居心地の良い空間でした。
▼ 釜山近現代歴史館とカフェの詳細はこちら
釜山 南浦の釜山近現代歴史館と館内カフェCASA BUSANO

慶州の博物館と釜山の歴史館で、お土産の調達はほぼ完了!金塊ケーキがずっしり重かったので、一度ホテルに荷物を置きに戻りました。

続いて気になっていたカフェに行ってみたところ、残念ながら改装中。ケーキを食べる気満々だったのでショックですが、仕方ありません。
aery coffee / 에어리커피


お目当てのカフェが営業していなかったので、代わりにこちらのカフェへ。
予備知識なしで入ったのですが、実はワールド・バリスタ・チャンピオンシップで優勝した方のお店なのだそうです。コーヒーもクッキーも美味しくて、お店の方がとても感じ良くて、大当たりでした。
トルゴレスンドゥブ / 돌고래순두부
ボリュームのあるランチだったこともあり、夜は軽めにスンドゥブを食べることに。以前行ってとても美味しかった、トルゴレスンドゥブに行きました。
▼以前の紹介記事はこちら
釜山 トルゴレスンドゥブ 南浦洞路地裏のおすすめ店

店内は相変わらず地元の人たちで賑わっていました。お店の方が感じ良くて優しいので、一人でも心地よく過ごせます。スンドゥブチゲが本当に美味しくて、それほどお腹が空いていなかったのにたっぷりのご飯もペロリと完食。
実はここのキムチは購入可能。美味しかったので持ち帰りたいとお店の方に言ったところ、「明日帰るなら明日買う方が良いよ、保冷剤つけて保冷バッグに入れてあげるからね」とのことだったので、翌日再訪することにしました。
4日目:釜山から大阪へ
最終日は15時の飛行機で帰る予定だったので、お昼ごはんを南浦で済ませてから空港に向かうことにしました。朝は早めに起きて、まずは影島へ。
Momos Coffee 影島店 / 모모스커피 영도


最初に向かったのは、朝8時からオープンしているMomos Coffeeです。お昼に食べたいものがあったので、エッグタルトで軽めの朝食に。
お天気は今ひとつでしたが、広々とした空間から港が見えて、良い雰囲気でした。

お昼に備えてお腹を空かせるべく、そのまま歩いて南浦まで戻ることにします。影島大橋を歩いて渡り、島を後にしました。
ホテルに戻り、チェックアウト。昨夜のスンドゥブのお店にキムチを買いに行ったところ、私の顔を見るや否や「ああ、キムチね!」と、スピーディに持ち帰りセットを準備してくれました。良いお店だなあ。
アンギョンファケミジプ本店 / 안경화 개미집 본점
帰国前最後の食事に選んだのは、ナッコプセです。キムチを買ったトルゴレスンドゥブのすぐ近く、アンギョンファケミジプにしました。


ちゃんと1人用の鍋を用意してもらえました。調理はお店の方が全てやってくれて、食べ方も教えてもらえます。最後に釜山らしいものを食べられて良かった!ホルモンもタコもエビもプリプリで、とっても美味しかったです。
▼ お店の詳細はこちら
釜山 一人ナッコプセもOK!アンギョンファ ケミジプ本店
まとめ:また行きたい慶州!

急遽決めた今回の旅行ですが、古都でリフレッシュして、釜山で美味しいものも食べて、充実した時間を過ごすことができました。曇り気味ではありましたが、涼しくて毎日たくさん歩けたのも良かったです。
慶州は初めて訪れたのですが、古都らしいゆったりとした時間が流れていて、ソウルとも釜山とも違う魅力がありました。今回は慶州1泊、釜山2泊にしましたが、仏国寺など少し遠くの旧跡まで足を伸ばすなら、慶州を2泊にするのも良さそうです。モダンな韓屋ホテルもたくさんあったので、ぜひ再訪したいと思います。
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