ゴールデンウィークのソウル旅行、食べもの編に続き、今度は観光編です。今回は国立中央博物館を経ての昌徳宮と、ソウルの歴史巡りになりました。
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国立中央博物館
2日目の午後、まずはずっと行ってみたかった国立博物館へ。とにかく広大な敷地の中にある立派な博物館で、その規模は世界6位だそうです。博物館の周囲には庭園やレストラン、カフェもあり、日本語の地図もいただけました。春や秋は庭園の散策も気持ちが良さそうです!
博物館の入り口には巨大なブラウンがいました。後ろから空気を送り込んで膨らませているようだったのですが、表面の布が毛羽立っていて、薄汚れているように見えて気の毒でした。ブラッシングしてあげたかった…でもこうして引きの写真で見ればそんなに気にならないかも?
こちらの博物館、常設展は無料です。なんという太っ腹。モダンですっきりとした建築で、いかにも知の殿堂という雰囲気です。私は巨大建造物が好きなので、足を踏み入れた瞬間にこの広々とした空間に心躍りました。
常設展は1階が先史・古代館/中世・近世館、2階が寄贈館/書画館、3階が世界文化館/彫刻工芸館という構成です。何の気なしに1階から見始めたのですが、朝鮮半島の先史から始まり、近代までの歴史を時系列で一気に観ることができ、このフロアだけでとてつもないボリュームです。
解説は主に韓国語と英語ですが、時間によっては日本語の定期解説ツアーもあり、2名以上の場合前日までに予約をすればハイライトとなるような名品の解説もしてくださるそうです。我々はそんな情報を知らないまま出かけてしまいましたが、せっかくなら次回はきちんと解説も聞いてみたいところです。解説がなくても、博物館の専用アプリをダウンロードすると、観覧者の位置情報に合わせて解説が出てくるので、韓国語がわからなくてもかなり見やすい博物館だと感じました。
それなりにテンポよく見ていたつもりでしたが、1階だけで2時間近くかかったと思います。しかしこのペースでは全部見るのは到底無理…となり、この日は1階だけの観覧にとどめて、ミュージアムショップに寄ってから仁寺洞エリアに戻ることに。
実はミュージアムショップについては、博物館以上に楽しみにしていたと言っても過言ではありません。作家さんの食器も買えるし、博物館のオリジナルグッズも可愛いと聞いており、事前にオンラインショップのホームページも見て、色々目星をつけていました。実物も見て、この日は青磁の器と、草虫画のトレイを購入。
翡翠色のこの器は菊の花を模ったもので、Lee Eunbumさんという陶芸家の方の作品だそうです。この薄い翡翠色と深い緑色のものがあって、どちらにしようか迷って薄い方にしたのですが、帰ってきてから「やっぱりどちらも買えば良かった…」と後悔しました。そう、後から悔いるのが後悔。旅先での出会いは一期一会になることが多いので、自分の直感に従うべきでした!もし次回ソウルに行った時に同じものがまだあれば、必ず買います。
ミニトレイは柄違いで母にもプレゼントしました。プラスチックで軽くてお気軽に使えますが、これに気に入った茶器を載せてティータイムにすると、なんとなく優雅な気持ちになれて気に入っています。
東大門(興仁之門)
2日目の夜には、夜の東大門をぶらぶら。いつも近くを通り過ぎるだけだったので、実はこの門を近くでしげしげと眺めるのは初めてでした。こんなふうに城郭が続いているんですね。近代的な建物とのコントラストが面白いです。
この門は1396年、高麗時代に建てられたものだそうで、その後1453年と1869年に修繕されているそうです。北側にある城郭は公園になっており、丘の上に上がると東大門やDDP(デザインプラザ)を見下ろせるらしいので、いつか気候の良い頃に行ってみたいところ。
昌徳宮
3日目の午前中は、ソウル五大王宮の一つ、昌徳宮へ。王宮が大好きだという韓国語の先生の一番のお気に入りだと聞いて、以前から行ってみたかったのです。保存状態も良いことから、昌徳宮は五大王宮の中で唯一世界遺産に登録されているそうです。
この日は朝一番に行ったので人も少なく、広い宮殿をゆっくり見て回れました!帰る頃には韓服を着た観光客が詰めかけていたので、行くならやはり早い時間が良いのかもしれません。入場券は窓口で購入することもできますが、交通カードでも入ることができてとても便利です。
王の即位式、朝礼、外国からの使節との接見などに使用された仁政殿の広場には、階位を表す石碑が残っていました。この順番に並んで、あらゆる行事に参加するわけですね。ここに並べるということ自体、当然それなりの高官の皆さんに違いないのでしょうが、野晒し雨晒しで行儀よくここに並んで式典に参加するなんて辛い、想像しただけで辛すぎる!居眠りでもしようものなら、怒られるだけでは済まないんでしょうね…
王の朝は会議で予定ぎっしりだったそうです。たくさんの人に囲まれた自由のない生活を想像すると、これも実に辛い。私が王だったら、「生まれたくてこんな身分に生まれたわけではないわい!」と叫んで出奔していたことでしょう。
あちこちにお花が美しく咲いていました。昔の人たちも、同じような気持ちで草木を愛でていたのでしょうか。どこの国にも昔からたくさん草花を描いた絵画が残っているところを見ると、美しい草花に心洗われるのはいつの時代も同じなのかもしれないなあと思ったり。
昌徳宮 後苑(秘苑)
昌徳宮の北側には、後苑(のちに秘苑と呼ばれるようになる)という広大な庭園があります。ここは入場に人数制限があり、インターネットで事前に予約をするか、タイミング良く当日券を購入する必要があります。朝一番で行ったこともあり、無事に入場券を購入することができました。入場可能な時間も決まっており、各回100名のみの入場だそうです。
自然の地形を生かした設計で、いかにも私的な要素の強い庭園らしい、リラックスした雰囲気の美しい空間です!写真から、かなり傾斜がある様子がお分かりいただけるでしょうか…アップダウンがあるので、真夏や地面が凍るような冬はなかなか大変かもしれません。初夏に行けて良かったです。紅葉が美しいので、秋もお勧めだとか。
庭園の中にはたくさん東屋があります。左の写真は芙蓉池と言われる池で、王様はこの池で釣りを楽しんだとか。夏には蓮の花がたくさん咲くのだそうです。池を見下ろす「宙合楼」という建物は1階が図書室、2階が閲覧室だったそうですが、ここから見る蓮で溢れた池はさぞ美しかったことでしょう。
昌徳宮ももちろん興味深く観覧したのですが、特に秘苑は都会にありながらたっぷりと自然の美しさを感じることができる空間で、大満足でした。韓国語の先生によると、昌徳宮では季節限定で夜間の観覧イベントも実施されているそうです。チケットがなかなか取れない人気イベントだそうですが、機会があればぜひ夜にも再訪してみたいところです!
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