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【青森】雪の酸ヶ湯温泉、八甲田ホテルへ!(2024.2)

2月の週末、雪の青森に行ってきました。2022年の5月に初めて青森を訪れて、すっかり魅了されてしまい、次回はぜひ真冬に行ってみたいと思っていたのです。

 

今回の目的は雪景色と温泉、そして前回の青森で感動したイタリア料理店を再訪すること。雪を満喫するため、1泊目は八甲田山にある八甲田ホテルに泊まることにしました。ここは日本最大級の洋風ログ木造建築で、温泉も有名なのだとか。期待が高まります!

 

 

伊丹から、約1時間半のフライトです。だいぶ早いお昼として美々卯でおうどんを食べて、機内でのおやつ用に喜八洲で大福も購入。丸々ぷくぷくの大福、かわいい。


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駅に到着したら、すぐにシャトルバスで青森駅まで向かいます。青森駅からホテルまでは、ホテルの送迎バスで1時間ほど。実は今回、雪山には行きたい、しかし雪山までどうすれば安全かつ快適に移動できるかな…と考えた時に、ホテルから送迎バスが出ていることを知って「ここにしよう!」と決めたのです。

 

青森駅周辺の市街地は拍子抜けするほど雪が少なかったのですが、それでもどこの家の玄関にも雪かきセットが置いてあり、雪国に来たことが感じられます。そして山を登っていくにつれ、とんでもない量の雪を見ることに…!

 

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八甲田ホテル

 

ホテルに到着です!クラシックな古き良きホテルという感じで、館内はぽかぽか。

 

 

そうそう、写真を撮り忘れてしまいましたが、青森駅にはてっきりマイクロバスが来るのかと思いきや、観光バスのような大きな車両が来てびっくりしました。バスは酸ヶ湯温泉と八甲田ホテルの両方に停車する仕組みのようで、客室の数の違いなのか、酸ヶ湯温泉で降りる人の方が圧倒的に多く、八甲田ホテルまでご一緒したのは我々の他に数組でした。ロビーにあるショップにはたくさんモンベル製品が販売されていました。さすがのモンベルさんです。

 

お部屋は温泉を利用した床暖房になっているそうで、温度調整ができないので「もし暑くなったらクーラーをつけてくださいね、ベランダのドアを開けると凍って閉められなくなることがあります」と説明を受けました。外はもちろんマイナスの世界なのに、クーラーで温度調整という不思議さ!床に手を近づけてみると確かにほんのり温かく、室内では長袖1枚で十分でした。

 

 

 

館内には青森が誇る偉大な版画家、棟方志功の作品がたくさん飾られています。

 

 

版画も書もありました。

 

 

 

このホテルの開業は1991年だそうで、建物の作りのそこかしこに、日本が好景気だった時代の残り香を感じました。今の時代、こんな贅沢な建物はもう建てられないでしょうね…

 

 

ホテルからは酸ヶ湯温泉との間を往復するバスも出ていました。酸ヶ湯温泉には「ヒバ千人風呂」という160畳(!)もある巨大な温泉があるそうで、こちらでお風呂に入った後、ホテルに戻る人もいるようです。私はホテルのお風呂にしましたが、「酸ヶ湯」と言うだけあり濃厚な硫黄の匂いに驚きました。目に入ったらしみるぐらいしっかり酸性の温泉で、お肌がツルッとするような。聞けば酸ヶ湯温泉は国民保養温泉地第一号に指定されているそうで、いかにも効能の高そうな入り心地の温泉でした。


ホテルで申し込めば、ガイドさん付きのスノーシューハイキングのツアーにも参加できるそうです。我々は時間が合わず断念したのですが、これもすごく楽しそうでした。ウェアもレンタルできるようなので、特別な装備を持っていかなくても問題なさそうです。

 

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八甲田は樹氷で有名なエリアで、樹氷を見に行く時の注意書きも貼り出されていました。安全のための大切な知識!

 

 

お部屋のベランダに出たり、ホテル内を一通りうろうろしていたら、小腹が空いてきました。すかさずバーラウンジでアップルパイをいただく!

 

 

ラウンジはとても落ち着いた雰囲気で、なんだかお金持ちの友人のログハウスに招かれたような(そんな友人はおりませんが…)気安さがあります。従業員の方は殆ど地元のご出身のようで、みなさん口を揃えて「こんなに雪のない冬は初めてです」と仰っていました。こ、これで少ないの…?

 


例年であれば、写真に映っている街灯は完全に雪で埋まるのだそうです。「今年はあれが隠れていませんからね、本当に雪が少なくて異常事態です」とのこと。成人男性の背丈も優に超えているというのに、さすが世界有数の豪雪地帯は違うわね…!


アップルパイを食べたら元気が出てきたので、外を少し散策してみることに。

 

 

正面玄関前にかまくらがありました!雪国育ちでない人間からすると、かまくらってまるで伝説の中の存在じゃないですか?

 

 

中には椅子が2脚置かれていました。「かまくらの中は暖かい」と子供の頃に聞いたことを思い出し、喜び勇んで入りましたが、さすがに暖かくはありません。とはいえ風が遮られるので、きっと吹雪いている時には体感気温は全然違うのでしょう。私は幼少期からなぜか北国でのサバイバル術に興味があり、取り憑かれたように南極探検隊や極寒地方での暮らしについての本を読んでいたので、すぐ「ここで1人取り残されたらどう生き延びれば…」などと考えてしまいます。実際にはそんな状況に陥ったら真っ先に諦めそうですが…

 

 

ぱらぱらと雪が降り始めました。雪の結晶、綺麗な形です!自然とこの形になるなんて、不思議。

 

 

見渡す限り雪に覆われたブナの原生林が続き、とても静か。自分の息遣いしか聞こえなくて、このままここで道に迷ったら本気で遭難する…と危機感を覚えました。

 

 

あの街灯まで真っ直ぐ歩いて帰ってこようと決めて、てくてく歩いて静寂と冷たい空気を存分に味わい、ホテルに戻りました。ほんの少しの距離でも、雪の中を歩くだけで体力を消耗しますね。

 

気温はマイナス5℃ぐらい。きっと青森の方からすればなんて事のない寒さなのでしょうが、関西から来るとこの気温と積雪量だけで異世界に来たような感じがします。気を抜いたら本当に命の危険を感じる環境なので、これはそこに暮らす人たちの人生観や気性に少なからず影響を与えるだろうなあと思わずにはいられませんでした。住んでいる方からしたら、雪なしエリアの人間が想像する以上のご苦労もあるのだと思いますが、この冬の厳しさゆえに生まれた知恵や創意工夫もあるでしょうし、春が来た時の喜びはまた格別のものがありそうです。いつもと違う場所に来ると、いろいろな気づきがありますね。