ゴールデンウィーク後半の福井旅行、夜は夫が見つけてくれた、1948年創業という老舗郷土料理店「谷口や」さんへ。
福井駅前からだと歩いて10分ぐらい、ゆっくり見て回った養浩館庭園からも15分かからないぐらいの距離でした。ちょうど暑くもなく寒くもない良い気候で、街並みをみながらぶらぶら歩いて行くのが気持ち良かったです。
▼養浩館庭園も最高でした!
越前割烹 とんかつ 谷口や
お店に到着。たぬきの上に「季節料理、野菜・煮物料理、とんかつ」と看板が出ており、期待が高まります。店構えからして良い雰囲気ですね。
店内もとても良い感じ!とても気さくで明るい、元気な店主さんが1人で切り盛りされていました。
「この辺の煮物は盛り合わせにできるよ〜」とお勧めしてくださったので、お勧めに従って盛り合わせをいただくことに。
お写真を撮っても良いですかとお聞きしたら「もちろんええけどワシの顔は撮ったらあかん、遺影になってしまう!わはは!」と笑っておられました。
手早く盛り合わせてくださったのがこちら。海の幸のおかずたっぷりで、どれもほっとするお味です。たけのこやお芋さん、ちょっとピリ辛の大根なんかも美味しくて、ご飯が進む!親戚の家に遊びに来たかのような安心感です。
続いて、もずくとお刺身の盛り合わせ。先ほどの煮物もそうでしたが、ボリュームもすごいんです。
そしてお待ちかねの「カニだけコロッケ」がやって来ました!Googleマップの口コミで見て、これは絶対に頼もうと思っていた一品です。「写真撮るなら割ってからが良いよ、中にはカニしか入れてないからね」とのことで、お勧めにしたがってコロッケを割り、速やかにパチリと撮影。
一口食べると、サクサクの衣に甘いカニの身がマッチして、めちゃくちゃ美味しい…!
衣が軽いので無限に食べられそうです。ぎっしり詰まったカニ身が贅沢!店主さんによると、これをクール宅急便で送って欲しいと依頼するお客さんもいるのだとか。そう頼みたくなる気持ちがよくわかります。
この日はお昼が遅めだったので元々あまりお腹が空いておらず、この3品で十分かも…という感じでしたが、カウンターに座っていた常連さんカップル(30代ぐらいの、驚くほど感じの良い方達でした)が、「ここはトンカツがお勧めなんですよ!一度ここで食べたら、もう他では食べられなくなるぐらい美味しいですよ」と力説してくださり、ついついオーダーしてしまいました。
「揚げるのにちょっと時間かかるから、待ってる間にちょっと食べてみて」と、これを出していただきました。わかめをお煎餅のようにパリッと乾燥させてあるようで、食べたことのない味わいです。これはお酒のおつまみに良さそう。
食べ続ける我々を見つつ、軽快にキャベツを刻み、とんかつを揚げる店主さん。本当に親戚のお家に遊びに来た気持ちになってきました。
とんかつが来ました〜!写真だとあまり伝わりませんが、これ、結構な大きさです。一瞬、全部食べられるか不安になりました。
しかし、そんな杞憂は一口食べた瞬間に吹っ飛びました。揚げ物特有の重さや脂っこさが全くなく、あっさり軽い衣とお肉が素晴らしい組み合わせ!付け合わせのトマトも春キャベツも美味しくて、あっという間に完食です。
店主さん曰く、ここは創業当初は海鮮料理だけを出すお店だったそう。当時は冬になると漁に出られないことも多く、そんな日はお店を閉めざるを得なかったようです。海鮮の仕入れがない日にも提供できるメニューを作りたいと、先代がお弟子さんを京都のとんかつ屋さんに修行に出したのがこのお店のとんかつの始まりなんだとか。以来ずっと名物料理なのですね。あの魔法のようにサクサクと軽やかな衣の秘訣はなんだろう…
煮物メニューは季節で変わるようです!
店主さんや常連さんに福井のことを色々お聞きして、福井の魅力にすっかり開眼してしまいました。
会った方が皆さん「なんでまた福井に…旅行に来るようなところですか…?」と仰っていたのですが、こんなに魅力に溢れた場所なのに、まさかお気付きでない!?と、こちらがびっくりしてしまいました。大阪人の主張の強さ(厚かましさ?)を少し分けて差し上げたいぐらいです。
そうそう、谷口やさんでは、冬は蟹もやっておられるのだそうです。絶対美味しいに決まっているので、今度は蟹が解禁になるタイミングでぜひまた行きたいです。良いお店に出会えて、大満足の夜でした。
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